湿度が高くなって蒸し暑く、土も湿る季節、ということですが、
神田の家の庭は毎朝カラカラに乾いております。
さて、神田の家では6月に入ってから、
建具は障子から簾戸に入れ替えられ、
広間には御簾、床の間には瀑布(滝)のお軸に玉の置物と、
目にも涼しげな初夏の室礼になっていました。
簾戸は夏障子、御簾戸(竹ヒゴ使用)、葦戸、葭障子(共にヨシ・アシ使用)とも呼ばれる、
簾をはめ込んだ建具の事を言います。
衣替えの時期と同様、6月に障子・襖の代わりに簾戸に替え、
暮らし向きを夏向きに整えています。
夏の強い日差しを遮り、室内は涼しく隙間から入る風がゆるやかに吹き抜け
目にもすがすがしい風情が一層涼しさを感じさせる、
美しい日本の習慣の一つです。
「山も庭もうごき入るるや夏座敷」(芭蕉)
「夏座敷」という言葉をご存知でしょうか。
夏を迎える時に風通しを良くし、
調度類も涼しげに整えた座敷の事です。
神田の家には簾戸の他、御簾・障子部分が倹飩(けんどん)になっていて、
入れ替える建具があります。
写真左手の建具もそう。
中央部分を入れ替える事が出来ます。
「倹飩(けんどん)」というのは、建築用語で上下の動きで蓋・戸を嵌め込む事。
それと対に「いってこい」は左右の動きで蓋・戸を嵌め込む事をいいます。
ちなみに前述したヨシとアシですが、その違いは以下の通り。
ヨシ・・・中が空洞。
「葦の髄から天井を覗く」 江戸いろはがるた
アシ・・・中が詰まっている。そのため虫がつきアシ(悪し)という。
この夏、8月9月はメンテナンスのため、内覧をお休みさせて頂きます。
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