2009年2月13日金曜日

良いものを永くつかうということ

 
千代田区主催の「大江戸エネルギー事情」という講演を
聞きにいってきました。
講師としていらしたのは同名の著書でおなじみの石川英輔先生。

著書を読んだ方ならお分かりのとおり、とても数字に強い!方で、今回も 諸データをもとに現代のエネルギー話を中心に、生活に要するエネルギー について独自の視点で面白おかしくお話をしてくださいました。

その中の一場面。

「江戸時代は素晴らしい“循環型社会”だったけれど、一番環境にいいのは良いものを使い続けること!」 …と見せて下さったのは、
江戸の安永7年に書かれた寺子屋の算術の本。
なんでも掛算から平方根まで網羅しているとか。

これが、明治になって寺子屋がなくなったと思われる時期、ある男の子に譲られたというシロモノ。(男の子がもらった日付と名前を書き込んでいるのです) 西暦に直してみると1778年に作られてなんと1887年に子供の手へ。


…実に109年も使われていたことになります!!


男の子はさらに妹に譲ったようで妹の名前も。なんとも微笑ましい~
元印刷屋さんの先生は「商売にゃならないけど」と苦笑いしていましたが。

ちなみに、先生はその本の和紙を折り曲げてみせ「3回叩けばもとどおり~」と、いかに和紙が丈夫か、実演して見せて下さいました!
いやはや、まさに職人さんの技の賜物ですね。


我らが「神田の家」も、職人さんたちの技が詰まっています。
和紙や循環型社会のみならず、江戸庶民の生活や文化から今だからこそ見直されていいものってまだまだいっぱいあるはず!
江戸の中心地だった神田の地で、そういうものの「再発見!」を提供する場となればと改めて思うのでした。

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